左右のどちらかに麻痺がある人のベッドを設置する時には、どんな点に気を付けたら良いですか？
脳梗塞などで半身が麻痺した時に、ほぼこれまで通り動く方を「健側」、ダメージを受けて動きにくい方を「患側」と言います。片麻痺の状態の場合、高さや背の部分が電動で動く介護ベッドを使えば、起き上がりが楽になります。起き上がるときには、動く方の手で手すりをつかめば寝返りもしやすいので、健側に手すりとなるモノ（介助バーなど）を着けておくのをお勧めします。そのためにも健側から出られるようにベッドを置くことが大切です。例えば左半身麻痺になった場合、ベッドのどちらかを壁の傍に寄せるとしたら、左側を壁に付けて、右手で手すりを持って寝返りをして起き上がり、足を床に下す動きになります。悪い方の左側から出ようとして手すりを持とうと手を伸ばすのは大変です。ベッドの片方を壁につける場合であれば、良い側から出られる様に設置することです。
但し、どんどん状態が重くなると両側からの介護が必要になることがあります。前回もお伝えした様に原則的にはベッドの左右に通れるだけの幅を空けておく方が介護者は楽です。まだ麻痺が軽くて介護ベッドではない普通のベッドを使っておられる場合は、マットレスが特に頭側、足側と決まってなければ、枕の位置を変えれば解決します。寝る向きを変えるのも、これまでと気分が変わって案外良いものです。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。