引っ越しをしていた関係で、1回休みをさせていただきました。
日本学術会議の体制等を根本的に変更すると言われている法案が、今国会で審議される見込みです。政府の中の組織である学術会議を、法人化するという案です。「法人化する」というと、政府から独立するようなイメージを持たれるかもしれませんが、実際はその逆です。かつて国立大学は文部科学省の中の一組織に位置付けられていましたが、各大学はそれぞれが人事権を持っていました。2006年に法人化されて以降、自律性が徐々に削られていき、一昨年末には「文部科学大臣の承認を得た委員」が務める運営方針会議が、最高意思決定機関になるに至っています。学術会議の法人化案の詳細はまだ明らかになっていませんが、少しずつ情報が出てきています。
全く異なる組織設立/学術会議法案の概要明らかに/井上議員に内閣府 https://t.co/eZ4h2V00by
「新会議発足時の会員の選定は「多様な関係者から推薦を求め」るとし、政府に都合のよい人選となる危険があります」— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) January 29, 2025
政府としては、日本学術会議との協議はしないという方針のようです。他方で日本学術会議側も複雑な立場にあります。
菅元総理が会員の任命拒否をし、その後に学術会議の体制を無理やりに変更しようとしてきたときには、梶田会長のもとでほぼ一丸となって抵抗をしめしていました。他方で政府との「対話」が長くなる中で、「いつまでもこんなことをしていたくない。本来の仕事に専念したい」という思いを強くする人々も増えてきているようです。隠岐さや香さんのSNSには、学術会議の困難な状況が示されているように思います。
2023年の国大法改正の時と流れが似ています。構成員は充分な説明を受けないまま、どんどん事態が進んでいく。執行部ポジションの人と政府だけで話して細部が決まっていく。
その結果、状況を憂えた人々による草の根のアクションが必要になってしまう。— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) January 29, 2025
ただ、政府が出してくる法案を受け入れてしまって良いわけではないと思います。日本学術会議への予算を減らし、本来業務以外の点検評価業務等を課すことで、日本学術会議が行うべき「人々の幸福のための学術」を推進するための活動が財政的にも労力的にも困難になり、その結果として日本で研究する人々の研究者としての成長や多様で幅広い学問の進展が妨げられるる恐れがありそうです。
TBSラジオの「荻上チキ Session」で、この問題の現状が詳しく取り上げられていました。音声を聞くことができます。
TBS
日本の科学者や研究者の代表機関「日本学術会議」
科学者が戦争に協力した反省から1949年に設立され、政府の機関でありながらも、政府から独立して科学政策の提言や、科学の啓発活動をおこなってきました
しかし、その立場が揺らぐ動きが続いていますhttps://t.co/EVSU1u0p9i— af 政治・政権変えなきゃ (@GRest31381) January 24, 2025
日本学術会議が、本来の役割を果たし続けるために、政府の法案に抵抗するためには、世論の後押しが重要になります。「みんなが理解してくれている」と思えば、頑張ることができます。信濃毎日新聞の社説、重要なことを書いていると思います。
〈社説〉学術会議法人化 押し切られては禍根残す|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト https://t.co/pDImbkUuGP
— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) January 26, 2025
例えば、このような提言を学術的に裏付ける知見を発信し続ける組織であるために、これから国会で審議されるであろう日本学術会議法の変更に関する審議に注目をしてください。
【拡散希望】
「核のゴミ」地層処分問題の全国声明世話人会
科学的で、現実的な提言は、学術会議が国や電力会社におもねることなく、真摯な議論を、学術の総合的な視点から積み上げた結果。真に政府から独立した自主的な組織である証左。#日本学術会議の法人化に反対しますhttps://t.co/NqRuU7KOau— 大学フォーラム (@univforum7) February 1, 2025
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