衆院選投票日の昼過ぎにこれを書いています。近いうちに引っ越しする予定なので、この選挙区で投票するのは今回が最後です。20年ほど暮らしていますが、この選挙区は与党の大物議員A氏の常勝選挙区でした。野党系のB氏が立候補し続けていましたが、全く歯が立つ様子なし…。私が引っ越してきた頃も、B氏は熱心に活動をしていましたが、率直に申し上げて話の内容に厚みがあるとは言えず、体力の自慢ばかりしているというのが、大変失礼ながら、私がもっていた印象でした(政治家が体力をアピールするのは好ましいこととは思っていません)。衆院選は基本的にはこの2名なので、「いまいち行く気がしない。どうせAさん圧勝だし。Bさんは体力自慢ばかりだし」と思いつつ、それでも投票には行っていました。
そんな両氏でしたが、民主党政権誕生時の衆院選ではB氏が当選しました。とはいえその後は、またA氏の常勝だったのですが、一度国会議員になってからのB氏の成長は、大変大きなものだと感じました。話す言葉に深みが出てくるようになりました。
もともと一生懸命な方ではあります。実際に議員として活動することで、成長できる機会が多くあったのだなと思いました(一般的に政治家は、机の前で勉強する研究者と違い、活動しながら学ぶタイプの人が多いのだろうとも思います)。その後もB氏は小選挙区で勝つことはできませんでしたが、A氏とそれなりに競り合うようにもなり、比例復活当選ができるようになりました。
そして今回、A氏が引退してC氏が立候補し、これまでこの選挙区には候補者を立てなかった党がD氏を擁立、B氏、C氏、D氏の三つ巴となりました。A氏の常勝選挙区だった頃は、投票先を迷うということはありませんでした。一位と二位が開票前からほぼ確定していたからです。今回は、報道各社の世論調査結果が時期によっても会社によっても微妙に変わる大接戦で、「三位の候補に入れて死票になるのはもったいない。けどなあ…」と、今朝になるまで、ああでもないこうでもないと考え続けたのでした。
とはいえ私の、この選挙区での最後の投票は終わりました。20年を振り返ると、B氏が本当に成長されたなあとつくづく思うのです。いくつかの団体の事前アンケートにも、しっかりと回答をしていました(20年前だったらどうだったのかなと、失礼な想像をしてしまいました)。
自分の一票が当選につながらないと死票だと言われます。しかし当選に至らなくても、当選者との票差が少しでも縮まれば、比例復活がありえます。議員になればやはり、学べる機会、成長できる機会があり、次につながっていくのだと思います。公約を見比べて「この人に当選してほしい」と投票するのがわかりやすい話ですが、「当選は難しくとも、成長のきっかけをつかんでほしい」と思って投じた票は、死票ではないような気がする、そんなことを思いました。比例復活も無理だったとしても、「あなたに頑張ってほしい、成長してほしいと思っています」という願いを示すことはできます。さて今夜、どんな結果が出るのでしょうか。
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死票ってなんだろう?
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