食事マップと一緒に子連れマップもぜひ

おもちゃ、テキストの画像のようです9月初旬に日本心理学会の学術大会が熊本でありました。今年は会場に子ども達を多く見かけたように思います。私が最初に参加した学会は発達心理学会という学会で、年次大会の会場に託児がありました。そのため学生時代は、どの学会でもあるものだと思っていたのですが、就職して「学会には通常、託児なんてない」ということを知って吃驚しました。
それから20年ほどが過ぎ、一定規模以上の学会では託児サービスをするようになりつつあるようです。大学の研究費を、本人の出張旅費だけでなく、同伴する子どもの託児代に充てることを認める大学も出てきています。
このような環境変化に加えて、今年の日本心理学会は熊本での開催でしたので、泊りがけで参加している人が比較的多く、結果として子どもを連れてくる人も多かったのかと思います。
大学の学内に保育所を設置することも増えてきたようです。


こちらのサイトで、学内保育所のある大学一覧を掲載していました。


お子さんのいる教職員は、多くは自宅近くの認可保育所に預けるのですが、大学の仕事は入試などで土日に働く必要があることもありますし、大学院生は認可保育所に入りにくいという事情もあります(これはこれで問題です)。そのため、学内に保育所があり、一時預かりなどもしてくれることは、子どもを育てながら研究したり働いたりする上で重要なことのようです。
このように、学会でも大学でも増えてきつつある子育て支援ですが、使いづらい点もないわけではないようです。安全確保の必要性などから、「どこでも子どもが来てOK」というわけにはいかないかもしれないですが、もう少し「普通に子どもがいる」ということがあっても良いのではと思うことはあります。今年の日本心理学会のポスター会場にはお子さんをちょくちょく見かけました。残念ながら学会によっては、子どもは入らせてもらえない雰囲気のところもあると聞きます。
なお、学会会場ではよく「食事マップ」が配布されていますが、「子連れマップ」みたいなものもあると良いのではないかと思っています。祖父母なども一緒に来ていて、「親は学会で子どもと祖父母は町へ」という話も聞きます。「子どもと一緒に楽しめる場所」や「子ども連れでも使いやすいトイレがある施設」などが掲載されていると良いのではないでしょうか。学会事務局で作るのは難しいですが、学会が開催されるような町の観光協会などで作ってくだされば、学術大会誘致のアピールにもなるのではないでしょうか。
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西垣順子<大阪公立大学 高等教育研究開発センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「学生と考えたい『青年の発達保障』と大学評価(晃洋書房)」(編著)など。


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