これまでお話しして来た様におむつの漏れの原因はとてもたくさんあって、探るのはなかなか大変です。今は様々なタイプのおむつが市販されていて、あまり深く考えずに身近に売っているものを買い、漏れたらパッドを何枚も重ねるなどの間違った対応をして、使っている人に不快な思いをさせているかも知れません。本当はもっとその人に適したものがあって、快適になる術があるのに、その商品にうまくたどり着けていない場合もあるでしょう。ご本人はもっとこんなものが欲しいと思っていてもなかなか言わなかったり、仕方がないと諦めておられるかも知れません。出来るだけ本人の希望を聞き出し、現状がどうなっているか、おむつを拡げた図を描いてみるなどして、きちんとフィットしているのか探ることが大切です。
介護が必要になったり、介護までは行かなくても排泄がちょっと気になった時の為に、自分や家族が元気なうちからおむつに関心を持っておくと良いでしょう。バッドを下着に当てておけば漏れを気にせず外出できますし、良いものをうまくみつけて使っていけば、自分の活動を拡げることができます。介護や看護に携わる人を対象にした研修で、自分でもおむつを着ける体験をすることがあります。自分でつけた経験があるのとないのではリアリティが全然違いますし、もっと快適なものを探すことへの意欲が変わります。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。