女性の政治家への攻撃について

7月7日は東京都知事選挙ではありましたが、私の故郷の日野町では町議会議員の補欠選挙がありました。にしきど由佳さんという方が立候補、無事に当選されました。


比較的若い世代の女性議員の誕生ということで、これからの活躍を期待したいです。
さて、世界各国でも選挙の多い今年、イギリスの下院選挙での女性候補者に対する攻撃がBBCで取り上げられていました。演説妨害や本人やスタッフに対する嫌がらせなど、身の危険を感じることもあるとのことで、残念ながらどこの国でも起こることのようです。


日本でも近年、報道されることが少し増えてきたように思います。


この話題で思い出すのは、2020年にアメリカのコルテス議員によるこちらの演説。彼女を侮辱した男性議員に関する指摘で、大変素晴らしいので是非、聞いてください。


当該の男性議員は、彼女に酷い言葉を投げておきながら、「自分は女性に差別心を持っていない。自分には妻と二人の娘もいるのだから」ということを言ったようですね。それに対してコルテス議員は、「私に投げつけられた言葉を、妻と娘に投げつけても良いと言っているようなもので大変残念」と述べていて、本当にその通りだと思いました。
ノルウェーでも、アジア系の女性議員に対して酷い嫌がらせがあるようです。他方で、彼女とは政治的立場の異なる男女の政治家たちから、それらの嫌がらせに対する批判の声も上がっているとか。


だいぶ前のことになりますが、土井たか子さんが女性初の衆議院議長になったときのことです。土井議長に対する男性議員の失礼な言動が多かった記憶があります。国会中継を見ていた母が、「登壇する時には議長に一礼するものなのに、土井さんに礼をする人はいなかった。(当時は自民党だった)田中真紀子さんだけが、きちんと礼をしていた」と、よく言っていました。
そのころと比べると、日本も少しは変化しています。他方で、世界屈指の大きなジェンダーギャップの要因は、政治分野と経済分野でのジェンダーギャップの大きさによるという現状があります。政策への批判ではなく、女性が政治家であることを攻撃するのは、BBCニュースにもある通り、民主主義への攻撃だと言えると思います。
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西垣順子<大阪公立大学 高等教育研究開発センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など


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