先日、成年後見制度に関する会議に参加したのですが、その中で、同じく金銭管理が難しくなったときの支援制度として、日常生活自立支援事業の紹介があり、またそこにつながるまでの備えとしての終活セミナーの取り組みを伺いました。
私も昨年度までの数年間、ときどき終活セミナー…と言うほどの大きなものではないのですが、終活支援としてエンディングノートを作ってみる取り組みを、市町の成年後見相談窓口対応の一つとして行いました。
備えるの、大事!
ところで、成年後見制度に関する相談を受けていると、ときどき「急遽入院して、長引いて、賃貸の自宅に戻れる見込みがなくて…」という相談があります。
高齢者だけでなく、誰にとっても急な入院というのはあり得るものですが、特に高齢になるにつれて、急な病気や急なケガも起こりがちです。
賃貸住宅の場合、家賃が引き落としになっていて、口座に十分なお金が入っていると、自動的に引き落とされている間は、家を維持できます。
光熱費も引き落としができていると、そのまま維持されるでしょう。
水やガスは人が住んでいないと自動的に使われることはあまりありませんが、電気が止まってしまうと冷蔵庫が止まってしまいます。
余談ですが、長時間電気が止まったままの冷蔵庫を想像できるでしょうか。見たことがある人はわかると思いますが、想像を超えています…。
私は半年ほど電気が止まっていた家の様子を見に行った時に、何も考えずに冷蔵庫を開けてしまったのですが、あまりの状態に、何も言わずにそっとまた閉じました。
そこで、エンディングノートには書いてないことなのですが、終活をするなら「電気代は
口座振替にしておこう。」をお勧めします。おそらく大抵の方がすでに口座振替になっているとおもいますが。
そして、もう1つ。きちんと家計を管理されている方の中には、収入(年金の受取等)の口座と、家賃や光熱費などの支出の口座を分けていらっしゃる方がいて、定期的に必要な分を必要な口座に移して管理されている場合があります。
使いすぎを防ぎ、蓄えていくには良い方法なのかもしれませんが、支出口座にお金を入れられなくなると、当たり前ですが、その口座のお金はどんどん引き落とされ、残高がなくなります。
そうなると、別の口座には支払えるだけのお金があるのに、入院等でお金を動かせない間に、電気代や家賃が払えなくなってしまいます。
お金を定期的に移動させられなくなる原因は、入院だけでなく、認知症などで金銭管理が出来にくくなってきたときも該当するでしょう。
前述の半年間経過冷蔵庫の件でも、「もし、年金受取口座と電気代の口座が同じものだったら、まだ冷蔵庫は冷えていただろうに…」と思います。
もちろん、冷えていても腐敗は進むのですが、おそらく、その状態はずいぶん違っていたのではないかと思います。
ということで、それ以来終活の話が出る場では、年金等収入と生活に必須の支出振替の口座は同じ口座にしておくことをお考えいただくように伝えています。
取り分けるなら、貯めて置く分を取り分けて別口座に移しましょう。
入るところと、出るところ、いざという時のためにわかりやすく、継続できるようにしておくと良いと思います。