7月に入り、暑さも本格的…を通り越して暑すぎる状態になってきました。気を付けて夏を過ごしていきましょう。
さて、今日は私たちの日常の中にある人間関係と、その中での信頼関係の構築や、人間関係をつないでいくことについて考えてみたいと思います。
私は社会福祉士ですが、社会福祉士の機能を兵庫県社会福祉士会では「つなぐ」「ささえる」「まもる」の3つとして表現しています。権利を守り、暮らしを支え、人と人・社会とつないでいく専門職であると説明できるわけですが、しかし、それもかなり漠然とした説明だという気がします。
ところで、この「つなぐ」ですが、「つなぐ」とはどのようなことを言うのだと思いますか?人と人とをつなぐことは、例えば結婚相手との出会いが友達の紹介とか、お見合いの紹介だとかは、イメージしやすいように思います。誰かの紹介で、誰かと知り合うことは、日常生活の中で多くの人がそれぞれ行うことでしょう。何かを求めている人同士をマッチングすることが得意な人もいるでしょう。私生活だけでなく、仕事として人と人をつなぐ、人と組織やモノとをつなぐことを行っている人は、大勢いると思います。
人と人とをつなぐことが日常の中で珍しくはない営みであるために、「つなぐ」なんて誰にでもできる、と思われやすいかもしれません。多くの人がやったことがあり、「つなぐ」なんて誰にでもできることだとすれば、一体、私たち福祉専門職である社会福祉士の「つなぐ」とは何なのでしょうか?
社会福祉士の役割を考えると、地域包括支援センターに配置されている社会福祉士の最も専門力が発揮される仕事の一つが、虐待案件への対応です。高齢の方の権利を守り、安心して暮らせるようになるために、虐待の防止や対応をおこない、高齢の方の権利をまもる職種です。
では「つなぐ」と権利を守ることとはどのようにつながるのでしょうか。私たちが日常でやっているような友達と友達をつなぐことには、「権利を守る」という概念がどれほど意識されているでしょうか。そして、権利をまもっていくために「ささえる」という意識はどれだけあり、実際にどのように支え得るか考えてつないでいるものでしょうか。
おそらく、誰もができる「つなぐ」ということを、その専門家であると言うためには、やはり専門家だからこそのものを身に着けていたいと思います。一人ひとりが人生を大切に過ごしていくために、人権を尊重し、さまざまな権利擁護を考え、それを本人が行えるように支え、つながっていくことを支援したいと思います。つながりそうにないところも、つながりが必要であれば、つなげていくことを考えなければなりません。
これから長雨や台風が増える季節。その前に、地域がつながり、いざという時に支え合い、守り合える地域と、そこに暮らす皆さんの関係構築ができるといいなとおもいます。