これまでにも時々話題にしてきましたが、滋賀県を中心に学校に行きづらい子どもたちの育ちを支えようとしている団体を支援することを通じて、「不登校になっても孤立しない町づくり」をめざす「あらゆる子どもの育ちを保障する地域総動」というプロジェクトに参加させていただいています。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
そしてこのたび、「学校に行かないカモラジオ」(略してカモラジオ)の配信が始まりました。
上のwebページからも聞けますし、SpotifyやPodcastでも配信しています。滋賀大学学生の井ノ口環さんが、滋賀県内の学校に行きづらい子どもの育ちや学びを支える活動に取り組む方々を訪ねてお話を聞きます。
不登校の当事者や家族、支援者による発信も重要だと思いますが、カモラジオの井ノ口さんは当事者でも元当事者でもありません。そういう井ノ口さんのラジオであることに、1つの意味があると思います。4月1日の配信で彼女自身が言っていますが、「子どもが学校に行かない(行けない)状況になったとき、半径2メートルにいる人たちの理解が大事」なのです。
昨年9月に神戸で開催された日本心理学会で、現在は20歳代になっている元不登校の人たちに対するアンケート結果が報告されていました。大人になった彼女・彼らの現在の生活満足度と相関があるのは、不登校の時期に彼女・彼らのことを理解してくれる人がいたり、安心して過ごせる場所があったりしたことでした。他方で、どんな学校に進学したのか(しなかったのか)、どんな仕事に就いたのかは相関がありませんでした。子どもが学校に行かないとなると、「受験や進学はどうなるの?」「就職は?」という心配が先に立ちがちですが、そんなことより大事なことがあります。
カモラジオではその大事なことを皆さんに考えていただくための材料を、発信していくことになると思います。
3月に大阪で開催された発達心理学会でも不登校問題に関するシンポジウムがありました。子どもたちの健やかな育ちを支えたという、同じ「願い」を持っているはずの学校と民間団体(フリースクールなど)と公的団体(教育支援センターなど)が、互いに互いのことをほとんど知らないことがよくわかりました。このままでは、せっかくの「願い」がもったいないことになるような気がしています。毎週月曜日の18時ころに配信です。ぜひ聞いてください。
————-