「ポリファーマシー」とはどういう意味か教えて下さい
年を取ると、飲む薬の種類が多くなりがちです。最近「ポリファーマシー」という言葉が言われますが、ポリファーマシーとは複数の服薬により有害な事象が起きている状態をいいます。高齢になると、身体のあちこちに不具合が生じ、複数の医療機関ごとに薬を処方されることが少なくありません。そして服用する薬が足し算的に増えていったり、薬を飲んだことで生じた症状を別の薬で治そうとしたりで、薬の種類がどんどん増えていきがちです。おおむね６種類以上飲むとポリファーマシーの可能性があると言われますが、単に数ではありません。薬の数が増え、しかも自分の体の調子が今ひとつだと思ったら、お医者さんに相談するか、しづらい場合は先にドラッグストアにいる薬剤師さんに「今、これだけ薬を飲んでいるのだけれど」と言って、相談してみましょう。
お薬手帳は1冊として、受診ごとに持参することでこの状態を防ぐことにつながります。
特別養護老人ホーム等では10種類くらいの薬を飲んでいる高齢者が少なくありません。痛みを抑える薬、また別の症状が出たらそれを抑える薬・・といった具合に患者さんから症状の訴えがあれば、お医者さんが対症療法的に薬を出してしまう傾向もあります。大きな病院で内科、整形外科など分かれていて、例えば整形外科の先生が他科で何を飲んでいるかご存知ないと、そこで新たな薬が増え、なかなか全体像が見えないことも少なくありません。薬が体の変調を引き起こすこともあり得るので、こんな薬を服用していますと伝えることも大切です。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。