50年以上使っていた備中鍬の柄が折れてしまった。トラクターの活躍ですっかり使う頻度は減ってしまったけれど、やはり無くてはならない農具の一つだ。祖父の代に鍛冶屋で作ってもらったものだと思う。既製品ではないので少しずつ形や留め具の大きさなどが違う。鍛冶屋に柄だけを注文して自分で直す事にした。長い間使ってなかった鉋と鑿を出してきた。刃こぼれしている。砥石を出してきたがこれも長い間使ってない。先ずは、砥石をコンクリートの床に擦り付け研ぐ面を平らに整えるところからの作業になった。樫の木でできた柄をもう一本の鍬を参考に鍬の本体と留め具の形や大きさに合わせて慎重に削り出した。留め具と削り出した柄の隙間に本体を打ち込んで古い機械から外して残しておいたボルトとナットで締め付け固定して出来上がった。ついでに壊れたままになっていた農具をもう二つ修理した。ホームセンターに行けば手ごろな値段で簡単に買えるのだけれど、修理できるものは修理しようと思う。それにしてもずい分時間が掛かってしまった。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。