気が付けば不寛容の時代~京のいけず椅子から名古屋城エレベーター論争まで

1990年代に近所にビブレ(現在はイオンモール)がオーブンした時、店内のあちこちに休憩スペースが設けられてるのが、印象的でした。繁華街の百貨店にもベンチや多目的トイレが増え、2000年代には駅のバリアフリー化が進められて、多様な人が快適に過ごせる街づくりが進んでいるなと思っていました。
鴨川の河原にもベンチがたくさんあります。でも座面が低いものもあって、もう少し工夫すれば良いのに思っていたら、ベンチの形をしているのはまだ良い方だった様で、南にあるベンチが最近Twitterで話題になりました。

気づけばホームレスの人達が寝られない様に座面を狭くしたり、間に仕切りを付けたベンチ、排除アートと言われるオブジェが公共の場に増えていました。当事者でなければ気づきにくいのが、排除アート特徴の様です。

ホームレスの人を排除するベンチで思い出すのが、2020年に渋谷区のバス停で-ホームレスの女性が撲殺された事件。

自治体のホームレス排除は住民の支持があるからで、東京の宮下公園や大阪の天王寺公園はホームレスがいなくなって綺麗になったと評価する声も。公園から排除された人達はどこへ行ったんでしょうか?

座れないベンチをわざわざ作ったり、嫌がらせみたいな排除アートにお金をかけるより緊急シェルター施設等の支援をもっと充実させた方が良いのではと個人的には思うのですが、排除を評価する市民が多いから各地に増えていったんですね。とは言え、作り手側に抵抗感のある人も。

ダイバーシティと言いながらマイノリティや気に入らないものを排除して街が作られていく、知らない間に随分と不寛容な社会になったと感じます。子供の声が煩いと保育園に苦情を言ったり、最近は田んぼのカエルの声が煩いという苦情まで。

名古屋城の完全復元を謳って河村市長がエレベーター設置に反対しています。木造による復元を優先すると構造的に設置が難しい様ですが、結果として見学者を選別することを良しとすることになります。自分がその当事者になるかも知れないという発想はないんでしょうか。(上層階は健常者も通常見学不可にすれば良いと思います。500億かけて市民が見られないものを作るのはどうなんだとは思いますが・・・)

鴨川のベンチについてtweetしたガーベラさんが排除アートに関する本を借りてきたと書いておられたので、私も買って読んでみました。いずれブックレビューしたいと思います。(モモ母)


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