若い頃自然の声が聴けるように成りたいと思って有機農業を始めた。農業を始めて４０年近くになるが、ちゃんと聞けているのか確証はない。それは、カオスの中にあって同じものであっても止めどなく移ろう時や場所・自分の立場や視点によって常に変化し続けている。様々事象を部分的に切り取って観察しようとするが、部分からなかなか全体が見えるわけでもない。振り子の先にもう一つ振り子を付けた二重振り子。非常に簡単な構造だが、その動きを正確に予測する事は、不可能だと言われている。土に種を蒔き水をやればやがて芽を出し野菜は育つ。しかし、時として同じ様に育つ事はない。今まで何度種を蒔いた事だろう。時には、分かったと思っては、また分からなくなる。「考えるな！感じろ！」とかつてブルースリーが、言ってたな。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。