車椅子を押す時はどんなことに気をつけたら良いでしょうか?
車椅子で勢いよく段差をこえようとすると、ガタン!という衝撃があります。ですから黙ってこえないで、「段差ですよ」「これから段差をこえますよ」と言って、車椅子に座っている人に意識してもらうことが大事です。歩いている時は段差を意識しますが、座っていると見えないこともあります。いきなりガタンと行ったら体がついていかないので、予め身構えてもらう様にまずは声かけをちゃんとやっていくことです。
道路はまっすぐではなく、アスファルトでもかまぼこ型になっていますし、案外ガタガタだったりするので、車椅子を速く押して急に止まったら、首に負担がかかってグラッと揺れることになります。押す方も体力を温存することが大事ですし、一定の速さの方が座っている方も安心です。ですからあんまり速く押さず、少しゆっくり歩くくらいのスピードが良いのではないかと思います。自分で車椅子をこぐ人はずんずん行ったり、ゆっくり行ったりと好きな様にできますが、人によってスピード感は異なります。その意味でもゆっくり歩くくらいの速さで押してみましょう。その方がおそらく座っている人にも楽だろうと思います。そして踏切であろうと何か段差であろうと何かあったら、「段差をこえます」等と声をかけることが大切です。線路を越えるときは介護者が先に、つまり大きな車輪(駆動輪)で線路を越えるのが基本です。道路のように押して行って、万一レールの溝にキャスター(自在輪)が挟まると大変ですから。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。