8月6日8時15分。ラジオから平和の鐘と共に「黙とう。」の声が流れた。オクラの収穫中だった私は、手を止め目を閉じた。後ろにいた息子の方からもチョキン・チョキンとオクラを切る鋏の音が止んだ。今年は、特別深く目を閉じた。鎮魂と差し迫る危機の回避を強く願った。前回、「本当の平和とは、本当の強さとは?この問いに有機農業から答えを導きたい。一生を掛けて。」と書いた。図らずもその答えがラジオから聞こえて来たではないか。驚いた。二人の6年生による「平和への誓い」その部分の抜粋『本当の強さとは、違いを認め、相手を受け入れる事、思いやりの心をもち、相手を理解しようとすることです。本当の強さをもてば、戦争は起こらないはずです。』 27年前助産婦さんが、「この世に、不必要な命は無いのよ.」とおっしゃった言葉に確信を得た有機農業へのチャレンジは、病害虫や雑草の存在を認めることで「こころ野」と名付けた畑の平和は、保たれている。言葉を尽くして説明しようとするが、こんなに端的な言葉を小学生から聞くことになるとは。若い感性に未来を委ねる時かな。何事も無く来年も息子と二人オクラを切りながらその時を迎えたい。来年は、息子の方が前にいるかな。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。