農業について自分の思う未来を考えてみようと思っていたが、その為には、平和が大前提であるということを思い知らされている。実は、虫や草と共存していく方法を農業を通して探りたいと思っていた。そのことが、争いの無い平和な世の中を創るヒントになると考えていた。虫や草を人間の視点から害虫や雑草に分類してしまわずあるがままを受け入れる寛容さを持ち合わせた農業が広がることを願っている。「害虫も大発生しなければただの虫」そんな言葉を思い出した。上手く言ったものだと思う。ただの虫を害虫化してしまう環境を作っているのは意図せずとも人間ではないのかと疑問に思ってほしい。以前有機農業を志す若者と話した時、将来の夢を訊いてみた。「平和です」と一言返ってきた。平和なはずの日本で平和な未来を願うということは、現実が、かりそめの平和だと感じているということなのだろうか。疑問を持ち、それを問いかけることの出来る自由を守りたい。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。