「農業について思う。」は、今までやって来た農業を振り返って終わろうと思っていたが、これからの事も書いてみたいと思う。若いころ思い描いていた未来、無農薬の野菜作り家族を持って幸せに暮らす。そんな夢は、ほぼ叶えられた様に思う。またその頃思ってもいなかったが、息子と共に働くようになった事もとても嬉しい。しかし一方で社会は、その頃思い描いていた様には成っていない。私が無農薬の野菜作りが出来る様になった頃には、人々の関心が、自然環境との調和を重視し、経済成長一辺倒ではない心豊かな時代に成っていると思っていた。食料生産の点でも国土の広さや資源の乏しさ、それに対する人口を考慮しても70%位の食料自給率に向上していると思っていた。が、現実は、そうなっていない。個人的には幸せなのに社会的な幸せを実感出来ないでいる。一百姓が大それた事を言う様だが、平和で幸せな世の中にしたい。自然との調和を考えて取り組んできた有機農業的な考えや技術が未来の為に活かせないだろうか。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。