車椅子を使っている人が自分一人で外出する時、例えば家の前の道が坂になっている場合は行きは下りで楽なんですが、危険でもありますし、帰りは自分で車椅子を漕ぐのが無理だと思うくらい急な坂もあります。そんな時は電動補助装置の付いた車椅子を介護保険で借りることが出来るので、利用すると良いでしょう。自走式の車椅子を電動車椅子の様に変える補助ユニットもあります。最初から電動車椅子にするという選択もあります。但し、電動車椅子は段差越えが大変なので、使う人の体力や住んでいる地域等を考慮して選びましょう。
電動スクーターも原則歩行者扱いの電動車椅子に分類されています。見かけがスクーターっぽいので好きな高齢者も多く、特に男性に人気があります。但し、電動スクーターは使う時に練習しておかないと、ちょっとした段差が乗り上げられなくて横転したり、バッテリーの充電が不十分で遠出した時などに途中で切れて動かなくなったり。踏切で止まってしまうのも怖いです。楽ですから電動スクーターも選択肢として良いと思いますが、どんなことに注意すれば良いかや操作方法を熟知し、練習しておくことをおススメします。父は脳梗塞で倒れた後に麻痺が残って歩くのが大変だったのに、杖をつくのを嫌がりました。そんな父が気に入ったのが電動スクーターでした。三輪の電動スクーターで買い物に行っていたのですが、当時の西陣では買ったものをお店の人がかごに入れてくれたり店先で対応が出来ましたし、スーパーにも行きつけの喫茶店にも電動スクーターで入ることが出来ました。電動スクーターがあったから、父は外に出ることが出来たなぁと思います。外出する際の車椅子と言っても色々なものがあるので、自分達の住んでいる地域や自分がどう使いたいか、一人で出かけるのか等を考え、しっかり選ぶことが大切です。

※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。