Weekend Review~「誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか?」

「理科は生きるのには役立たないかもしれないが、死なないために役に立つ」というtweetがありましたが、理科や数学的な思考や基礎知識が身を守ることを実感したのが「誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか」。著者は元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授で、SNS上で「コロラド先生」「コロラド博士」と呼ばれている牧田寛氏。気になるtweedでも度々リンク紹介している著述家です。
「あらゆる社会的事象に通じますが、統計、数字は事実を映す鏡です。現実が数値化されることによって、過去から現在まで何が起きているのかの評価が可能となり、様々な知見と併せることで、将来どうなるかが予測できます」と牧田氏。この至極当たり前のことがまるで出来ていないのが、今の政府であり専門家と呼ばれる人達であると痛感します。「今の政府」と書きましたが、公文書の改ざんや都合の良いようにルールを解釈変更して来たここ数年の日本が、コロナ対策に失敗するのは当然の結果とも思われます。統計による日本と韓国、台湾の比較、トランプ前大統領に行われたコロナ治療や政権交代で劇的に変わった合衆国事情、N95やKF94などのマスク解説、ワクチンのリストとベネフィットの比較考査、PCR検査後進国日本とザル状態の検疫の実態など、これまで起きて来たことが、データと共に検証解説されていて、コロナの流れを振り返ることが出来ました。Twitterで発信する今後の予測を度々的中させ、「コロラド先生の予言がまた当たった」などとつぶやかれたりしますが、牧田氏によれば、高校数学程度の基礎知識があれば、統計から現状分析や今後の見立ては可能とのこと(但し、牧田氏は東京都をはじめ検査が飽和するなどして、日本の統計が汚いと指摘)。興味深く読みましたが、典型的な文系脳の私には、データ解説や癖のある文章が理解しづらいところもあって、良くも悪くも理系の学者さんの本だなという印象でした。(モモ母)

 


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