取引先のお客さまから「有機JAS認証で許可されている農薬を使用していますか」との質問があり、回答を求められた。答えは、「使用していません。」と一言で終わってしまうのだが、色々と考えてみた。ず~っと遡って思い出してみると小学校の高学年から中学生の頃、自然の景色や里山の詫び寂びの風景あるいは、身近な草木の季節ごとの佇まいに訳も無く心が揺さぶられた。そしてその中に自分の身を置くことがなんとも心地良かった。その心地よい感覚の中に農薬のイメージは、無い。農業は、無為自然でないということはよく分かっている。しかし、自分の耕作する畑が、自分にとって心地よい場所でありたい。農業は、自らそんな環境を作り出せる仕事ではないのかと思い始めたのが、北海道の自衛隊で勤務していた22歳の頃だった。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。