農道の傍らに綿の木が一本生えている。一見枯れ枝にゴミがぶら下がっているように見えるが、綿の玉だ。その横を通る時いつもシャツと言う言葉が思い浮かぶ。それは、布団も含め寒さから身を守る身にまとう物の象徴としてのシャツだ。衣服や布団は、今では簡単に手に入る。しかし、この綿玉を見た時は、これを手仕事で糸に紡いで、そのとても細い糸を織り上げ布を織り上げて行く気の遠くなる様な工程が想像される。昔の人が、布切れや布団をどれだけ大切にされてきたことに思いが及ぶ。一度綿を育ててみようかな。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。