寝たきりの人を起き上がらせて車椅子に移乗させようとすると介護する人の腰に負担がかかりますが、ベッド固定型のリフトを使えば、寝ている人を起こして座らせる必要はありません。パジャマを脱いだり着たりする時のように、寝たままスリングシートを敷きこむような形で装着します。体を起こして座らせるより圧倒的に楽ですし、本人にとっても楽です。メーカーや機種によってアームの長さなどが若干違いますが、設置場所によってはアームの向きや可動域が制限されたり、使い勝手が良くないことがあるため、どこに取り付けるかよく考える必要があります。適切なスリングシートを選ぶことも大切です。
病院から退院する際などに新たに福祉用具を準備するのであれば、ベッドを部屋のどこに置くか、リフトの支柱をどこに設置すれば最も有効に人の移乗が出来るかを考えます。どんなリフトを選んで、どこに設置するか。車椅子をどこに置いて、どんな風にベッドから移乗させて部屋のどこに移動するかを決めるのは、相談するケアマネさんの知識によるところが大きく、ケアマネさんが知識不足で、よく知らない業者さんが来ると、せっかくリフトを導入しても効果的に使えないことがあります。もし取り付けた後で使い勝手が悪いと思ったら、リフトの種類や設置場所を変更することが可能です。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。
※※浜田きよ子さんが2020年度「京都新聞福祉賞」を受賞されました。京都新聞福祉賞は地域社会の福祉向上に務められた個人、団体の功績を称えて、京都新聞社と京都新聞社会福祉事業団が贈るものです。