今年度は例年と違うステイホームで始まり、生活のリズムも節目の行事も例年と異なっていたが、あっという間に9月になりました。まだまだとても暑いですが、秋らしさも感じられるようになっています。季節は移り変わっていますね。
この原稿は9月2日水曜日の朝に書いていますが、数日前から大きな台風の発生が報じられ、台風が近づくにつれニュースでは警戒を呼び掛けています。今後の進路と強さを天気予報やニュースで確認しなければなりません。この原稿が公開される金曜日には、9号が過ぎ、10号が迫っているという予報です。早めの対策で人的な被害が出ませんようにと祈るばかりです。
秋になると例年は防災訓練が盛んにおこなわれていました。今年は、密を避けるために避難訓練も様子を変えているようですが、避難の準備をすることは大切です。とっさに適切に逃げる行動をすることは、若くて元気で体力や判断力に自信がある人でも難しく、高齢者や障がい者、幼児や妊婦ではなおのことです。台風シーズンを迎えて、今一度、風水害時の避難について確認をしておきましょう。
【警戒レベル】レベル3で高齢者等は避難開始!
台風や大雨長雨の特徴は、数日前からその危険を天気予報などで確認できることです。早く把握し、備えることにより、被害を小さく抑えられます。
警戒レベルは台風や大雨による災害への警戒を、レベル1から5によって表示します。レベル5は災害が起こっている状況ですから、逃げるチャンスは遅くともレベル1から4の間です。目安として、避難行動に時間がかかる人は、レベル3が避難行動を実行する目安です。もちろん、早いに越したことはありません。
【ハザードマップ】自宅や職場のハザードと避難場所を確認!
https://disaportal.gsi.go.jp/ は国土交通省が運営する、全国各地のハザードマップを確認できるポータルサイトです。ハザード(災害を起こす危険な自然現象)を選び重ねて表示する「重ねるハザードマップ」もあります。ハザードマップを確認したことがない方は、必ず自宅付近のマップを確認してください。いつしますか?今でしょ!!
水害や土砂災害の危険が高い場合は、台風等の接近情報をこまめに確認するとともに、避難場所と通り道も再確認しておきましょう。
【自分でできる避難訓練】その道は安全か?
先日、地元の新聞に悲しいニュースが載っていました。大雨の中で転倒した高齢者が側溝に転落し流され亡くなったというニュースです。スイカを買って帰る途中だったとのことで、なお一層無念さが浮かびました。
側溝や用水路には蓋が付いていない箇所が多いです。普段は見えているので、よほど酔っぱらったりスマホを見ながら歩いていない限りは転落しないであろう側溝でも、大雨が降り、路面が見えにくい状態になると、側溝と道を見分けにくくなり転落のリスクが高まります。水の少ない普段であれば、側溝に転落しても這い上がれるかもしれませんが、水量の増えた側溝に突然落ちてしまうと流される危険があります。
お買い物で出かけるとき、通勤通学の途中で、どこにどんな水路や窪みがあるのかは、事前に確認してみましょう。意外と多いと思います。例えば夜間で雨が降り視界が悪い中避難するとき、安全に歩けるでしょうか?歩き方や避難路を考えることも必要でしょう。
【垂直避難を考える】差し迫った水害時は上へ上へ。
夜間に冠水し、水量が増えた状態で非難することは、かえって危険な場合もあります。「垂直避難」という言葉をよく聞くようになっています。垂直避難とは、上階へ避難することを言います。ハザードマップを確認し、予想の水深よりも高い位置に部屋がある建物の場合、上階へ避難する判断も有効です。
私が活動する兵庫県内では、今年も防災と福祉の連携事業の取り組みが始まりました。ケアマネジャーや相談支援専門員などの福祉専門職が、防災の基本的な知識を身に着け、利用者さんの日ごろの防災の備えを支援しようとしています。このような取り組みが、どんどん広まれば良いですが、広まっていく間にも自然は猛威を振るいます。まずは、ご自身と家族や周りの人の安全を、それぞれができる範囲で考え取り組むことが大切だと思います。