この頃巣立ちをしたばかりの野鳥をよく見かける。体の大きさは、もう親鳥と同じくらいある。親鳥との違いは、少し体の色が薄いくらいでほとんど見分けがつかないが、敏しょうさが違う。農道で素早く飛び立つ親に対し、ワンテンポ遅れて飛び立つ子鳥にブレーキほ踏むこともしばしば。野菜の残渣が捨ててある場所は、ミミズなどが沢山居て、鳥たちの格好の餌場になっている。そこに家族のムクドリがやって来た。逞しい2羽の後を少し色の薄い子鳥が付いてきた。子鳥は、羽をばたつかせ口を大きく開けている。父母が代わる代わる啄んだミミズを大きな子の大きな口の中に押し込んでやっていた。献身的な子育てが、滑稽にも見える。「美味しいミミズは、ここに居るからな」そんなことを言っていたかもしれない。家に帰ると娘が「バーベキューがしたい」と言っていた。お金を渡すと喜んで肉を買いに行った。「ムクドリよ、お互い頑張ろうな」

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。