マーティン・スコセッシ監督が、『タクシードライバー』などのスコセッシ監督作品に出演してきたロバート・デ・ニーロと再び組んだ犯罪ドラマ。第2次世界大戦後のアメリカ裏社会の無法者たちの暗躍を、主人公であるヒットマンの視点で描く。デ・ニーロがヒットマンにふんするほか、アル・パチーノ、ジョー・ペシらが共演する。
《あらすじ》
トラック運転手のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)は、マフィアのボスであるラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)と知り合う。ラッセルに気に入られたフランクは殺しを請け負うようになり、全米トラック運転手組合委員長のジミー・ホッファ(アル・パチーノ)を紹介される。やがてフランクはジミーの右腕に上り詰めるが、ジミーの権力に陰りが見え始める。
デ・ニーロ、パチーノ、カイテル。さらにジョー・ペシまで引っ張り出して、まさにスコッセシの世界。,3時間半の堂々過ぎる超大作ギャング映画です。犯罪の世界で生きてきた男の年代記というスコセッシお得意のテーマというだけでもワクワクするし、ユーモアやバイオレンスの適材適所も巧い。
あのジミー・ホッファを暗殺したとされる、実在したマフィアのヒットマンの半生を描いていて、劇中でほのめかされるケネディ暗殺の背景事情も含め、権力と反社の癒着という側面から振り返る現代アメリカ社会の歩みは興味深く、さながらスコセッシ版『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』とも呼ぶべき風格と重量感が漂います。もちろん、デ・ニーロら常連組スターが顔を揃えるスコセッシ映画の集大成としても見応えあり。
なお、役者の顔はCGで若返らせることが出来ても、さすがに体の動作までは誤魔化せません…。
劇中の音楽が時代を映したポピュラーソングで、おテルとしては、そちらも気になりました。
この作品の音楽を担当したのは、あの元ザ・バンドのギタリスト兼ソングライターであるロビー・ロバートソン。.この映画に出演する豪華な俳優陣の関係性と、かつて彼が自然な一体感を感じていたザ・バンド のメンバー間の繋がりには類似点があると考え、ロビー・ロバートソンと監督のマーティン・スコセッシは、この物語の舞台となる何十年も前の時代に見合った音や雰囲気を見つけ出しています。
時代を超越したクオリティをもたらすロビー・ロバートソンのテーマ曲に加え、ランドール・ポスターが音楽監修を務めたサウンドトラックには、グレン・ミラーの「Tuxedo Junction」やスマイリー・ルイスの「I Hear You Knockin」、そしてファッツ・ドミノの「The Fat Man」など、名曲の数々が収録されています。
楽しい懐かしい音楽を聴きながら怖~いギャング映画をみるのです。
★★90点★★