2020年が始まって最初に担当させていただく記事のネタを何にしようか…と考えたのですが、やはり年末に飛び出した文科大臣の端境期発言がホットなうちに取り上げようと思います。
経緯がまとまった記事がこちらにありました。
下手くそな新聞を上げておきます。
ざっくりとした内容は掴めるかと思います。#高校教育無償化#端境期#授業料減免枠 pic.twitter.com/EjmOkLiRTb— honeycomb (@honeycomb_h) December 28, 2019
去年の7月に成立した「大学等就学支援法」(個人的にはデタラメ無償化法と呼んでいます)については、カナリア倶楽部でも何度か記事を書いてきました。この法律の内容については元事務次官の前川さんの説明がわかりやすいです。
#前川喜平 氏
「『高等教育無償化法』は無償化には程遠い。対象者に所得以外の様々な条件がつけられている
この法は学生を人質にとって、大学に対し産業界の要求に応じる教育を行うよう迫り、大学のあり方を歪める政策だと言っていい」 pic.twitter.com/9I3g4dPMOG
— たけたけ (@taketake1w) May 18, 2019
そしてこの法律の成立によって、今までは学費の減免を受けていた学生たちが授業料の全額負担を求められることになるということも、去年の秋から明らかになり始めました。
大学に今現在在学していて学費の減免を受けている人については、移行措置として減免を継続するようです。しかし新入生からは変わります。つまり同じ家庭でも、「お兄さん、お姉さんは減免を受けたけれども、自分は受けられない」という学生が多く出てくることが確定しました。もちろん当事者が、納得できるとは思えません。
学生の負担が増える #消費税増税 をしたのにこの対応#納得できない人はRT
萩生田文科相
「先輩はこういう家庭環境でこうだったのに、俺はという不満はあるかもしれない」
「制度の端境期なので、ぜひご理解を」高等教育支援の対象外、文科相「端境期なのでご理解を」 https://t.co/8BAOktq7m7
— FREE 高等教育無償化プロジェクト (@FREE20180913) December 24, 2019
「大学等就学支援法」については、首相をはじめとする政治家やマスコミが「高等教育無償化」と呼んでいました。「無償化」と呼べるものでは全くないことは上述の通りですが、一般の学生や親御さんたちはそんなことまで知らないことが多いです。無償になるから大学に行ける、バイトに追われなくても済むと、希望を抱いた人たちは少なくなかったようです。正直、酷い話だと思います(次のリンクのtwitterのハトマークをクリックすると(続)の後が読めます)。
本来であれば期待に胸を膨らませ、四月からの大学生活に励むつもりでした。
来年度からの大学無償化と聞いて、やっと救われる。そう思いました。
(続)
— FREE 高等教育無償化プロジェクト (@FREE20180913) December 24, 2019
そして教育費は増大する一方です。
昨日、文部科学省が私立大学の2018年度入学者の納付金調査結果を公表しました。平均133万6033円と史上最高額を記録し、比較可能な授業料と入学金で推移を見ると、1975年度の27万円から2018年度の115万円と4倍増。国立大学は9.5倍増です。1.8倍増の物価上昇の2倍から5倍増にもなる異常過ぎる高学費です pic.twitter.com/GRRFpZjPRC
— 井上伸@雑誌KOKKO (@inoueshin0) December 26, 2019
【教育費が高い日本】
幼・小・中・高・大と全て公立で通っても803万円もの教育費がかかる日本
幼稚園は私立、小学校から高校は公立、大学は私立、という多くの人が辿るコースだと1120万円#学費値下げの思い
データえっせい: 子どもを大学まで出すのにいくらかかるか: https://t.co/huTEyetYrr pic.twitter.com/imrbj85jN1
— FREE 高等教育無償化プロジェクト (@FREE20180913) December 30, 2019
令和ヒット記事として、BusinessInsiderJapan(@BIJapan)に取材して頂いた記事が再びYahoo!ニュースで配信されています✨
1日食費300円、週5バイト、大学除籍も…大学生ら6000人中3割が仕送り・小遣いゼロの現実【令和ヒット記事】 https://t.co/wts8SyRBc9
— FREE 高等教育無償化プロジェクト (@FREE20180913) December 31, 2019
そんな中でも東京大学は、現在の学費減免を維持するそうです。素晴らしいと思います。他方でお金をたくさん持っている東大だからできることでもあります。
【大拡散希望】#東京大学 が新入生に対しても、これまでの授業料の減額・免除処置の維持検討を発表しました!
FREEで集めた学生の声が #東大 を動かしています!
現在、国の新制度によって、これまでの学費支援を受けられない新入生が出る問題がおきています
今回の東大の表明は重要です https://t.co/mSkm2HsZEP pic.twitter.com/iGMY9A3hou
— FREE 高等教育無償化プロジェクト (@FREE20180913) December 25, 2019
これが広がるためには、教育費への公的支出を増やさないといけません。そしてそのためには、高等教育を受ける権利についての世論が盛り上がる必要があるのだと思います。国公私立の大学が設置形態の枠を超えて連帯し、国に要求することも大事だと思っています。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。