高齢期の暮らしと住まい(31)

7/6の鴨川二条大橋あたりの様子(筆者撮影)

西日本の大雨

先週は豪雨が西日本を襲い、甚大なる被害が発生しました。京都も桂川・鴨川の危険水位上昇により避難勧告や指示が出され、鴨川では三条大橋南側の護岸が崩落したショッキングな映像もありました。JRはほぼ全線運行が中止されたり、大幅な乱れがあったりで、仕事や日常生活にも大変な支障がありました。筆者は新潟に出張しており、5日夜に大阪空港に向かったのですが、強風強雨のため旋回待機で大幅に到着が遅れ、動いていた阪急電車に乗ると、何度もエリアメールの大合唱で「地震?」と思ったら「桂川氾濫の危険」の警告。徐行で帰って来れたものの、京都府内でも被害に遭われた方がおられ、心が痛みます。常に安全第一です。自然には逆らえません。数年前には桂川の氾濫で大変な被害がありましたし、鴨川も昭和初期に非常に大きな氾濫があり、かなり広範囲が浸水したようです。

 

自治体からは様々なメディアを使って緊急時の発信(首相官邸HPより)

段階的な避難行動

現在は、携帯電話への「エリアメール」で緊急事態をお知らせしてくれる便利な世の中になりました。避難行動には、基本的に3段階あり、「避難準備・高齢者等避難開始」は、災害により人的被害が発生する可能性がある状態。高齢者等の避難に支援が必要な人は、早めの避難開始となります。5日夜中には消防署の車が「高齢者の避難開始」をアナウンスしながら走っていました。次に「避難勧告」で、被害の可能性がかなり高まります。屋内安全確保や立ち退き避難が必要です。そして「避難指示(緊急)」は、被害発生の可能性が非常に高まっている状態。身の安全確保が第一です。

 

水害ハザードマップの例(京都市HP/上京区・中京区)

「正常性バイアス」に注意

日本は自然災害の多い国。地震や水害など「どこでも起こりうる」危険性は、誰もがわかっているはずですが、反面「自分だけは大丈夫」「たぶん私にはありえない」という『正常性バイアス』に陥りやすいのです。バイアスとは「先入観・偏見」という意味。恐ろしいことが起きそうになると、非常にストレスがかかるため、脳が自然と心の平安を保とうと「大丈夫」と思い込ませようとします。でもそれは非常に危険。災害時(およびその前兆)は、主観的ではなく、客観的判断に従うようにしましょう。何もなければ確かに徒労ですが、「よかったね」と言い合えます。逆に「あのとき、ああしておけば」となると後悔してもしきれません。まだまだこれから台風や水害が続く季節。気を引き締めておきましょう。

———————————————————————
山中由美<エイジング・デザイン研究所>
大学卒業後、商社等を経て総合コンサルティング会社のシニアマーケティング部門において介護保険施行前から有料老人ホームのマーケティング支援業務に携わる。以来、高齢者住宅業界、金融機関の年金担当部門などを中心に活動。2016年独立。