高齢者の方々は介護や福祉用具なんてまだまだ自分には関係ないし、必要になったら専門家がうまくやってくれると思っておられると思います。でも、お元気なうちから後学のために介護や福祉用具について自分なりに知っておくことが、とても大切です。例えばデイサービスに関心を持ったり、福祉用具についての知識があるとないのでは、いざという時に選び方が全然違ってきます。今はたくさんの選択肢があって、その中から、より必要なもの、より自分に合うものを選ぶのですから、他人事ではありません。
高齢者は自分の健康を出来るだけ維持して、ピンピンコロリで逝きたいと思っておられて、それは皆さんそうなんでしょうけど、体が不自由になることも含めて考えておかないと、要介護になった時に困ります。例えばおむつを杜撰に選んで、杜撰に使うと寝返りもしにくいし、座りにくい。寝返りしにくい、座りにくいというのは、ただそれだけではないんです。極端に言えば、寝返りがしにくい状態が続いて栄養状態が悪くなると、褥瘡(床ずれ)が出来ることもあります。座りにくいのも、座った方が当然食事がしやすく、喉が通りやすくなります。おむつの選び方ひとつで、生活のあり方が違って来るのですから、今から一生懸命勉強して、見る目を養っておくことが大切なのです。

※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介していきます。前回はこちら。排泄に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。