主張する学者は解任するそうです

前回に引き続き、日本学術会議法の話題です。たった3日、20時間未満の審議で衆議院内閣委員会を通過、本会議でも採決されてしまいました。早ければ今月末にも参議院での審議が始まると言われています。
5月20日に参議院での院内集会がありました。

衆議院内閣委員会での審議を振り返る発言がいくつかありましたが、法案の危険性が浮き彫りになる質疑がありました。

法案に賛成した日本維新の会の議員からの質問に対する坂井担当大臣の答弁で、「特定のイデオロギーや主張を繰り返す会員は今度の法案では解任できる」という驚きの発言が飛び出しました。政府の主張に賛同するイデオロギーや主張をする会員を解任する理由はありませんので、「特定のイデオロギーや主張」とは、政府の主張に対する反論を指していることは明白です。
なお日本維新の会の委員からは、防衛装備庁の研究補助金への大学界からの参加を促すことに日本学術会議が積極的になるべきであるという発言もありました(上記の隠岐先生のポストのリンク先から聞くことができます)。
実は日本学術会議は、(その是非はともかくとして)防衛装備庁の研究補助金に応募することを禁止しているわけではありません。研究成果の応用が戦争で一般の市民を傷つける可能性の有無を、応募前に各大学内で慎重に確認しましょうという程度のことしか言っていません。それにもかかわらず、今回の法案が出されてきたということの恐ろしさを感じます。

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西垣順子<大阪公立大学 高等教育研究開発センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「学生と考えたい『青年の発達保障』と大学評価(晃洋書房)」(編著)など。


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