Weekend Review~「ワンコ17歳」

うちには間柴さんが代表を務める「NPO法人はぴねすDOG」さんに譲渡して頂いたこむぎという雑種犬がいます。2012年泉佐野市で放浪中に捕獲され、「はぴねすDOG」さんにレスキューしてもらって我が家に来た時は推定2~3歳。まだまだ動きが機敏ですが、現在13歳(仮)なので、もう立派なシニア犬です。捕獲されてからレスキューされせるまでとても怖い思いをしたんでしょう、ものすごい怖がりで、来た当初は熱したフライパンにもやしを入れた際のジューッという音にビビって隣の部屋に逃げていたし、今も散歩中にガレージの扉が突然開いたり、傍を自転車が通るとビクン!!となって、自転車に乗ってる人から「ごめんね~」と言われたりします。先日は大徳寺の門前を歩いていたら鐘楼の傍を通った絶妙のタイミングで鐘がゴーンと鳴って、慌てて反対側に逃げました。そんなビビりん坊のこむぎですが、昨年「ワンコ17歳」というtweetを見ると、同じく怖がりな様子が描かれていて、とても愛おしくなりました。

こむぎは雷が鳴ると浴室やトイレの便器の後ろに隠れて私を頼ってくれないので寂しいのですが、捕獲時のトラウマだけでなく、この子みたいに元々怖がりな子なんだなと思ったり。
暫く見てなかったけど、今年になって、あの子はどうしてるかなとtweetを探すと既に昨年5月に亡くなっていたとのこと。そしてこれまでの暮らしを本にされるというので、楽しみにしていました。電子書籍にもなっているけど、優しい肌触りや色合いに作者のサエタカさんが感動したと書いておられたので、発売されたら実際の本で買おうと決めていました。イラストとエッセイで綴られた本には「老いゆく愛犬と暮らしたかけがえのない日々」の副題がつけられています。

開くとタイトルの次のページに小さい頃から怖がりだったという私が印象に残ったtweetの4つのイラストが掲載されています。ワンコことクリちゃんとの出会い、ワンコのプロフィールなどに続いて15歳からの日々かが綴られていて、以前tweetを読んだ時は老犬をお世話していても明るく前向きな方だなと思っていたのですが、本を読むとワンコが老犬になったことを受け入れるのにかなり時間がかかったそう。Twitterを始めたきっかけも老犬と暮らす全国の人達が「#秘密結社老犬倶楽部」というハッシュタグで愛犬との日々や老犬介護の大変さを綴っているのを見て、自分もやってみようと思ったとか。同じ立場の人達(ピア)がつながるって大事ですね。余談ですが、今や全国組織となった「認知症の人と家族の会」も当時は痴呆、ぼけと呼ばれ治療法もなかった認知症の人を懸命にお世話していた家族に、早川一光医師がつながって自助グループを作ることを薦めたのがきっかけでした。ネットでつながる程よい距離感が飼い主さんにちょうどいいのかも知れません。

10メートルくらい自分で歩いた、尻尾をふってくれた、老犬になると「普通のことができた」というのが嬉しい。ごはんが食べづらいワンコを自分の脚の間に座らせて支えたり、色々できることを工夫されてて参考になります。うちの犬は滅多に鳴かないけど、老犬の夜泣きに悩まされる飼い主さんが多いそうです。前に飼ってたコーギー(モモと言います。モモ母の名前は前の犬に由来しています)は調子悪くなって数日で亡くなったので、老犬介護は未経験。その時は覚悟しないとと思ったり。長野在住のサエタカさんは歩くのが難しくなったワンコを抱っこして毎日山をお散歩されてて、川を眺めたり、四季のうつろいを感じたり。そして最期は羨ましくなる様な大往生。老犬と暮らす方は勿論、いずれ老犬となるワンコの為にも、というより愛犬の老いを受け入れる自分の為に、読んでみたい一冊です。(モモ母)


Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/canaria-club/www/wp-content/themes/mh-magazine-lite/content-single.php on line 21

Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/canaria-club/www/wp-content/themes/mh-magazine-lite/content-single.php on line 30