こころ野便り~農業について思う。これから その3

家族農業に息子が加わり約1年が経った。農作業の大半をこなせる様になった。しかし、適切な判断と丁寧な仕事が出来るようになるには、まだまだ時間が掛かると思う。収穫した野菜に紛れ込んだミミズを土に返しに行く男だ。効率一辺倒ではなく畑に棲む様々な生き物にも気配りの出来る百姓になって欲しい。そんな男の育てた野菜をいいなと思ってくれるお客さんが増えればいいな。
息子が、幼稚園に入る前だったと思うがこんなことがあった。夕暮れ息子を肩車しながら散歩をしていた。自宅の庭木を囲む高い塀から「にゃ~にゃ~」と子猫の鳴き声がする。私は、ただ猫が鳴いていると気も止めずにいたが、「お父さん、猫が、助けて・助けてて言ってる」と言うのだ。半信半疑で2階からベランダに出て鳴き声のする方を探しに行くと、塀と木の間で身動きの取れなくなった子猫が鳴いていた。助けてやると一目散に駆け出して行った。あの時、確かに「助けてて言ってたな」と息子と一緒に働きながら時折見せるふとした仕草からそんなことを思い出した。彼らが、思いやりのある世の中を創ってくれることに期待したい。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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