こころ野便り~農業について思う事 その2

一八歳で就農したが、親子三人で毎日・毎日葱の皮むき作業は退屈だった。町に程近い畑では、自然を感じることもあまりなく、世の中は、バブル景気に向かおうとしていた。近所の年寄りに「あんた若いのに偉いなぁ。」と言われた。でも褒められている気はしない。若者の就農者は減る一方で同級生の就農は、皆無。自動的に入会した農協の青年部は、私が、最年少で二番目は、十歳年上しかも二年後には、解散が決まっていた。皆には、とても可愛がってもらったし良く皆で遊んだ。でも農業は、退屈だった。二年が経ち。二つ下の弟が、植木屋に就職が決まり住み込みの修行生活が始まったがほどなく辞めたいと帰ってきた。何があったのかは知らないが、「世の中って?」と思った。俺も一度親元を離れてみよう、出来れば厳しくて遠いところの方が良い。退屈からも逃げたかった。心底やりたいと思うことを見付けたい。そんな気持ちだった。農業離れが、加速する時代に農業を志す私には農業に対するときめきが必要だった。少年時代には、持っていたはずの。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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