LGBTの方への差別に反対します

5月20日木曜日に飛び込んできたニュースにびっくりしました。


法案の中に「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」という文言が入ったことに対する猛反発があったとのことです。
私の友人や知人にもLGBTの方は何人かおられますし、中には10代から知っている人もいます。2010年頃までは学生からも、LGBTについて誤解したコメントが授業の感想用紙などに書かれていることがよくありましたが、最近はすっかり見なくなっていました。が、いまだにこんなことを言う人たちがいること、しかもそれが国会議員であることには驚きを禁じ得ませんでした。
Twitterなどでも、抗議の声が上がっています。


現在でもLGBTの方々には、誤解や偏見に基づく様々な圧力があります。


LGBTを認めないという人が掲げる理由には、「子どもを作らない存在を許容すべきではない」という見解が多いように思います。LGBTの方がみな子どもを作らないというわけではないのですが、「子どもを作らない存在は許容すべきではない」という主張自体、非常に危険なものを感じます。
性的志向というのは自分の意志で選べるものではありません。「子どもを作らないからLGBTは認めない」という主張は、「(子どもを作るために)性的志向と一致しない行動をとりなさい」ということで、つまり「(子どもを作るために)望まない性交渉をしなさい」、「(子どもを作るために)望まない生き方をしなさい」ということです。こんな非人道的な要求があるでしょうか。
そんな非人道的な要求をしてまで、生まれてくる子どもの数を増やす必要があるのでしょうか。子どもの数を増やす必要があるというなら、子どもを産み育てることを望んでいる人々が子育てしやすい社会をつくる方が、ずっと効果が高いですし、みんなが幸せになります。「子育て罰」という言葉がある状況を何とかしましょう。


昨年度からお茶の水女子大学が、トランスジェンダーの女性の入学を認めるようになりました。LGBTへの差別は認めないという行動が、社会のあちこちで広がっていくことを期待したいと思います。


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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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