こころ野便り~粋と野暮

どの野菜を何時・何処にどれだけ播くかを決めるのは、とても難しい。色々な条件が複雑に絡み合い、方程式は有っても各項に入れるべき数字が定まらないので答えも出てこない。結局経験的に例年通りとなる。今年も例年通りの予定だが播種時期に秋の長雨が重なったり。病害虫の影響を受けたりもする。そう言った影響を最小限に止め安定した収穫を得るために現代農業は、発展してきた。私の行っている農法では、自然に起こったことは仕方がないと諦めることも多い。被害を回避する近代的な手段が有るにもかかわらず諦める方を選択する理由を、若い者にどの様に理解させようかと思うことがある。野菜には、その季節により「走り」・「旬」・「名残」が有る。少し先取りするのが「走り」。「旬」は、「盛り」とも言えるかな。「名残」は、別れを惜しみながらも又来年の再開を楽しみに待つ。着物の世界では、季節を少し先取りした図柄を着るのが粋で、先取りし過ぎたり年中同じ物は、野暮である。やせ我慢かもしれないが小粋な野菜作りをしていると理解しておこうかな。粋な心が環境悪化を止める手段になるかもしれない。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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