本日は教育問題から少し越境します。国連で温暖化サミットが開かれました。16歳のグレタ・トゥーンベリさんのスピーチが話題になっています。全文の日本語訳はこちらから読めます。
テレビでは一部が放映されるため、彼女が涙を流して訴える感情的な様子が印象に残ってしまっているかもしれませんが、実際には多くの科学的な知見を踏まえて論理的に意見を述べていることがわかります。
その温暖化サミットに、就任したばかりの小泉環境大臣が参加したのですが、ニューヨーク到着早々にステーキ店に行ったことが、様々な意味で「話題」になっています。日本ではあまり知られていませんが、地球温暖化の問題等から牛肉を食べるのは控えるべきだという考えとそれに基づく行動が世界では広がっています。
英大学、構内での牛肉製品の販売停止 地球温暖化対策で https://t.co/23SG2472aT @cnn_co_jpより
— 小島慶子 (@account_kkojima) September 22, 2019
水ジャーナリストの橋本淳司さんも記事を書いています。肉を生産する過程では大量の二酸化炭素が排出されたり、多くの食物や水を消費しないといけないが、中でも牛肉はその程度が大きいというものです。
良記事。
別に政府批判をするつもりも、肉を食うなと言うつもりもないけれども、消費の裏側に何があるかは知っておいた方が良い。小泉環境相がステーキを食べたことの何が問題か(橋本淳司) – Y!ニュース https://t.co/2NYRTMVA7n
— 象のUNKOelephantpaper (@elephantsUNKO) September 25, 2019
ジャーナリストの津山恵子さんの記事も参考になります。ニューヨークの公立学校では週に1回、肉を出さない日があるそうです。
日本は「環境汚染大国」という世界の評価と進次郎大臣「ステーキ」発言の波紋|BUSINESS INSIDER https://t.co/9Jev4s3YUI @BIJapanさんから
— Junko Nishigaki (@JNishigaki) October 5, 2019
またこの記事では、日本が世界からどのように見られているのかについても紹介されています。高い省エネ技術を持っていたりするためか、日本は環境保護先進国だと勘違いしている人がいるようですが、そんなことはありません。そういえば前の環境大臣の原田氏も、就任記者会見で「廃棄プラスチック問題で世界をリードする」なんて言っていた記憶がありますが…。現状ではリードしていただくほうです、日本は…。
地球温暖化問題とは別の角度からも、牛肉には問題がありそうです。
⭕️EUは30年前から、米国産牛肉の輸入禁止
米国の畜産農家が肉牛の成長を早めるために投与するホルモン剤が、乳癌・子宮癌・前立腺癌を誘発する疑いがあるからだ。日本では関税引き下げを歓迎する声もあるが、トウモロコシに続き、安全面で不安の残る米国産牛肉が大量に入る。https://t.co/MgYEclq076— 盛田隆二 (@product1954) October 3, 2019
さらに別の観点として動物福祉があります。
「殺して食べちゃうのに福祉?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、命をいただくからこそ、生きている間は充実した毎日を送り、殺すときにも丁寧に接するという考え方は大事ではないかと思います。この点から考えると、成長を早めるために大量のホルモン剤を摂取させるなどというのは、どうなのだろうと考えることもできます。残念ながら日本も米国と同様、動物福祉はかなり遅れていると言われています。
温暖化の話に戻りますが、小泉大臣がニューヨークで「温暖化問題はセクシーに」と発言し、なおかつ石油の消費量をどう減らすのかと問われて答えられなかったということも話題になっていました。関連映像をこちらから見ることが出来ます。
ここにも「日本の危機意識のなさ」が現れているという指摘があります。米国在住の映画監督の想田さんのツイート。
英語では魅惑的・魅力的なことをsexyってよく言います。そのノリで進次郎さんは温暖化対策も「クールでセクシーに」と言ったのだと思いますが、人類の滅亡がかかっているという「事の深刻さ」を考えると、軽く感じられます。だから日本政府の意識の遅れを印象付け、世界で報道されたのだと思います。
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) September 24, 2019
ニューヨークはグレタさんの「学校ストライキ」に児童生徒が参加することを許可したそうです。欧州での緑の党の躍進など、世界で政治の流れが変わりつつあるという指摘もあります。
ニューヨークさすが
同市を訪問中のスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)が20日に市内で予定する集会「学校ストライキ」に、生徒らが公立学校を欠席し参加することを許可。
「自分に関係する問題に、安全かつ礼儀をわきまえた方法で声を上げる生徒らを称賛する」 https://t.co/7Xg3hBt3iv— RIKA*(nakano)🌱 (@hirarin08890072) September 20, 2019
国連気候サミットのあのスピーチだけで一面的な評価を下す人たちが多い。「子供が〜」と冷笑する前に、気候変動を大事な政治課題と位置付ける若者たちが欧州の政治を変えつつある事実を知った方がいい。彼女の言葉を借りると、好む好まざるに関わらず、変化は起きているhttps://t.co/CSUycStY6N
— Kosuke Hatta 八田浩輔 (@kskhatta) September 28, 2019
自分のことですが今年の夏は、冬の間に買いだめておいたカイロを腰に貼って、上着を2枚持って過ごしていました。冷房で冷えるからです。東日本大震災の後、あれほど省エネをしていたのにどういうことなのでしょう…と思います。
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