漫画と平易な解説で子供向けに日本国憲法を紹介した5巻シリーズですが、大人も読んでおきたい充実の内容です。国民主権、自由権、社会権など、そう言えば学校で習ったけれど、大人になって改めて読むと、その意味、重要性がよく理解出来ます。大日本国憲法との比較が随所にあったり、「みんなで校庭を使える様にルールを作る」といった子供にわかりやすい例で説明したり、日常生活に今の憲法の考えが反映されてることがよくわかります。
憲法が保障する自由や権利は国民の不断の努力によって保持しなければならないと12条に書かれています。不断の努力をしてる国民が今、どれほどいるでしょうか・・。憲法は国民ではなく、権力、つまり政府を縛るもの、それが立憲主義。このシリーズを監修した憲法学者の上田勝美さんは「改憲ムードが高まっているけれど、改憲派も護憲派も大半は新聞や評論家の論調が頭にあるだけで実際に条文を読んでない、それでは困る」と出版当時におっしゃっていました。自民党の改憲案が天皇を「象徴」から「国家元首」に変更したり、「個人」と書かれた表記を個を尊重しない「人」に変えようとしていることをご存知でしょうか? 今の憲法はどう言っていて、どう変えようとしているのか、きちんと知って議論すべきですが、その入門としてこのシリーズは平易でわかりやすい。安保関連法成立から3年、自民党総裁選で勝利した安倍首相は「いよいよ憲法改正に取り組む」と述べています。子供や孫と一緒に、あるいは大人だけででも、漫画で憲法について知っておきたいものです。全巻セットで購入すると値が張るので、図書館で閲覧するか、なければ図書館にリクエストしては如何でしょう? (モモ母)
※余談ですが、以前の防衛省のサイトには「集団的自衛権行使は憲法の範囲を超えるものであり許されないと考えている」と書かれていましたが、現在は削除されているとのこと。
こんなにすごい！日本国憲法
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